第40章 ♡寂しさを融かす様に…(国見英)生誕記念 完結
「え?おい!良いのか?!
いや、よくねぇだろ!
国見〜…」
「今日スタート遅かったから
その分残るだけ」
なんて。
普段なら絶対そんな律儀なことしねぇのに
拗すぎかよ、俺。
振り返らずコートに戻った俺
オロオロする金田一
そして
『英ー…!
今日は、帰るね!
練習邪魔してゴメン…!』
控え目なトーンで俺の背中に
声を投げる姫凪
「あっそ、気を付けて」
『…うん』
ボールの跳ねる音に掻き消えた
姫凪の足音
桜も咲き駆けた誕生日前日
ヤケに寒い左手を持て余して
一人家に帰った