第37章 ♓それはまるで奇跡の様な…(月島明光)生誕記念 完結
泣き顔が快楽に上書きされても
秘密は教えて貰えずに
「姫凪、なんで俺に言えねぇの?」
今度は俺の声に涙が混ざりそうになる
情けなくてカッコ悪いけど
姫凪が俺に隠すナニカに
胸が不安で潰れそうになるんだ
信頼してても
大丈夫だと何度言い聞かせても
姫凪の隠すナニカが
俺を絡め取って縛ってくる
『明光?なに?泣きそう、なの…
ゴメン…姫凪が…
隠し事したから…?ゴメン、ね』
俺の小さな変化に気付いてくれる姫凪に
一気に湧き上がる羞恥心
「いや、俺も…ごめん。
姫凪体調悪ぃのに…
なんか理由あるよな?
ゴメン…」
冷静に考えれば
姫凪に疾しいことなんか
あるわけないのに
何疑ってんだ、バカヤロウ!
慌てて姫凪の身体を離して
乱れた…では済まされない
パジャマを慌てて直す
震える指がボタンを弾いて
上手く止まらない俺に
「アニキ、ようやく止まった?
入っても大丈夫?」
蛍の冷めた声がドア越しにかかった