第35章 Bitter Sweet(二口堅治)バレンタイン2018
2月14日
工業は大して盛り上がりもなく
一日が過ぎて行く
女子少ねぇし
居てもとっくに誰かのモンだし
でも今年は
絶対欲しい一個が
実はある。
「チーッス。
布施先輩居ますかー?」
『二口くん、図書室では静かにね』
メガネを押し上げて
呆れた顔するこの女は
布施 姫凪
数ヶ月前
廊下でぶつかって
なんつーか一目惚れ?
「いつも誰も居ないじゃないスか
それにいつもウルサイのは
先輩スよ?」
ニコリと笑いかけると
スマシてた顔が見る見る赤くなる
『…寒いから入るなら早く入って』
「冷えたら温めてやるって」
扉を閉めて先輩の隣を陣取って
「んで?冷えました?」
肩を強引に抱き寄せる
カレカノ?
…違ぇよ。
セフレ?
違ぇって!