第29章 ☆キミとボクとキイロ(御堂筋翔)生誕記念 完結
「離……」
『離れへん!消えへん…
せやから…!』
ホンマ、キモォ…
そこは見て見ぬふりやろ
『悲しい顔せんで!』
キイロがハイイロになるイメージを
上書きする
「喧しな、怒鳴る元気まだあるん?」
『うん、せやから消えへん』
「さよか…」
『翔くんが消えるまで消えへん』
キミの濃くて強いキイロ
「…おおきに」
悔しい
悔しいくらい
「姫凪、今日は泊まる」
『うん、帰すつもりないよ』
「さよか」
ボクはキミに惚れとるんやね
何をしても護りたい
キミだけは、とか
口に出さへんから
気付かれへんやろか
いや、きっと…
『翔くん、寒い』
「…おん」
『温い』
キミは分かっとるかな。
キミの熱い肌に
ボクの冷たい肌が重なり
その奥の奥が
温まっていくんやで。