第28章 ♤伝えなきゃ伝わらない(花巻貴大)生誕記念 完結
嫌がらないよね?
引かないよね?
受け入れてくれるよね?
信じるよマコさん!
信じてる!貴大!
『あ、のさ!!』
「ん?」
隙間をピタリと埋めて
『貴大…の誕生日…お部屋に
泊まって…良い?
一晩中、貴大の隣に居たい』
「はい?」
『考えてて!オヤスミ!』
貴大の胸に叫んで
そのままダッシュで家に駆け込んだ
大丈夫だよね?
ね?そうでしょ?
ソワソワしながら迎えた
次の日
貴大は今日も後輩の指導で
部活だけどナナちゃんも
見に行くみたいだし、と
私も体育館に足を進める
「うわ、また来やがったよ。
暇かよ、ナナもお前も」
目ざとく私を見つけた国見くんが
迷惑そうに顔を顰める
「え…あ、ごめん…
邪魔なら帰る…」
「こら!国見チャン!!
姫凪ちゃんイジメないでよ!
お兄ちゃんとはじめに
言いつけるから!」
「うっせ〜な
及川さんも花巻さんも
まだ部室に居るよ
行くならそっち行けよ」
「うるさくないー!
国見チャンのバーカバーカ!」
面倒臭そうにあしらう
国見くんに戯れるナナちゃんに
断って一人部室に向かった