第5章 ♑愛されたがりの愛し方(黒尾鉄朗)クロの日 完結
そして
『見つけんの遅いねん』
後ろから小さく聞こえた声
「姫凪!?」
声を上げて振り返ると
『静かにし、アホ』
唇の前で指を立てる姫凪
そして
『着信…嬉しかった…ありがと…』
小声のまま呟いて
小さい身体を預けて来た
「出ねぇから心配したろうが…
…何してたんですかァ…?」
預けて来た身体を抱き寄せると
『えっと…さっきまで
ナナちゃんと話してたから
マナーにしてて
分からんかってん……』
ギュッと腰に手が回る
人は少ないけど
外で姫凪が甘えて来るのはレアだ
「ん?どうした?
そんなに甘えて〜
怒ってねぇの?
まさか俺に逢えて嬉しいんですかァ?」
俺の声にビクッと肩が揺れて
赤い顔して見上げてくる姫凪