第20章 近過ぎたキミ⑤(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
でも…
『…と…お…る』
さっきとは違う
甘えたような声に
歯止めが掛かる
チクショウ…
「違ぇよ…バカ…
今更、夢で愛されてんじゃねぇよ
泣かされてりゃ
慰めてやるって言えンのに」
無駄に膨れ上がった欲望を引いて
「どっかの物語みたいに
起きて初めて見る男を
愛してくれるなら
何時間でもお前の手を握って
待ってられんのにな」
温もりの伝わった身体を引いて
「さっさと夢から覚めろよ
現実で俺に惚れてくれよ
なあ?姫凪」
寝顔に軽く触れて
部屋を出た