第2章 ♢キスしてください【影山飛雄】
飛雄とは小さい頃から一緒にいたせいか、
なんとなく家族って感じが強い。
それでも、
「俺と付き合ってほしい」
とか言ってくれて私も好きだったらOKしたのに。
「今月オフないわ、わりぃ」
今日もこの言われようだ。
しかもLINEだし。
いや、それだったら夜少しくらい会ってよ!?
家隣なんだけど!!!
そう思っても多分あいつの頭にはそんなこと浮かばない。
…いやうん、飛雄のことだ。
きっと帰ってすぐ寝ちゃうんだろうけど。
「……これ、付き合ってるって言う?」
全然前と変わらないんだけど…、むしろ小学生の頃の方が一緒にいたような気がする。
…分かってる、バレーが忙しいことも。
呆れるくらいバレー馬鹿なことも。
むしろ付き合うっていうことを、あいつが知っていたことの方が驚きだ。