第10章 *嫉妬と無自覚【角名倫太郎】
「角名…??ん、んぐっ」
柄にもないセリフを言ってしまったと少し後悔したが、どうにかして分らせてやろうと思いっきり抱きしめた。
侑と仲良くしてんなよ。
「す、角名…っ、わたし、足しびれてっ、んぅ」
「うるさ、許そうと思ったけどやっぱムカつくから分らせてあげるよ。無自覚バカなとこ反省して」
強引にシホの唇を奪うと、足が痺れて動けない彼女は体重を俺に預けてきた。息をさせるタイミングを与えることなくキスをし続ける。
「あー、むかつく」
…嫉妬。
この感情が嫉妬なのは十分承知している。
侑が俺と正反対そうな性格をしているからこそ、仲良くされるとムカつく。マネージャーだからしょうがない、なんて思いたくない。
息がうまく出来ず、呼吸が途切れ途切れになるシホは、俺に体を預けたまま、はあはあと息をする。
あー、かわいい。このままめっちゃくちゃにしてやりたい。
「俺の方が体幹あるから」