第9章 ♢色っぽくて意地悪なキミと。【松川一静】
「いーなー、まっつん。一人だけ青春しちゃってさ〜」
「及川はいつも失敗してるもんな」
「うるさいな!?そんな失敗してないから!!」
「んで、どこまで進んだんだよ?」
岩泉にそう言われたものの、別に進んだも何もない。
あくまでまだ、彼女の中では俺はクラスメイトなのである。
はーやく意識して俺のこと見てくれたらいいんだけどな。
「明日図書室で勉強することになってる」
「え!まじ!うひゃあ〜そのまま松川あの子のこと食っちゃったりして」
花巻が口元に手を当て、ひゃ〜と冷やかす。
それに合わせて及川も変な目で見てくる。
「ばーか、さすがに食わねえよ。付き合ってもないのに」
「付き合ったら食うのか」
「そりゃな、俺も男子高校生なもんで」
付き合えたらの話だけど。と言う前に、ニヤニヤと笑う2人。
ひどい扱われようだ。
「上手くいくといいねえ、松川くんっ」
「まっつんなんて振られちゃえ!爆ぜろ!!」
「ひがみかよ」
「岩ちゃん悔しくないの!?」
「悔しいわ!!」
「なんなんだよ、お前ら」
おわり。