第8章 ☆遠くて、遠い。【西谷夕】休止してます、、、
…まぁいいや、考えても分かんないし。
「私じゃなくて違う人に頼めばいいのに…」
「夜久さんとやったら俺寿命持たないっすよ!!!
だってしかも前田さん、リベロだったんですから上手いじゃないですか!!」
キラキラとした笑顔のリエーフと対称に私は上手くそのセリフに笑えずにいた。
…リベロだったよ。
身長が低いわけじゃなかったけど、レシーブが上手いって褒められてリベロやってたよ。
…でも、彼らみたいに、誇れるような存在ではなかったけど。
「…じゃあ、私も夜久さんみたいになろうかな」
「えええ、それはちょっと嫌っす…」
冗談を言って、話題を切り替える。
…やっぱりどうも、自分のバレーの話は苦手だ。
…こんな時、彼に相談したら何か言ってくれるのかな。
ふいに頭をよぎる西谷くんのプレーと声。
真っ直ぐ、私に何か言ってくれるのかな。
なんて調子のいいことばかり考えて。
…天才にはきっと、こんな馬鹿みたいな感情、分かってもらえない。