第1章 出会いの日
いつだって賑やかで
笑いが絶えないくるみ側で
急に現れた静かな沈黙に
嫌でも心は先走って
触れた指先から伝わるくるみの体温に
身体中から熱が溢れだしてくるんが
解る…
ゆっくりと顔を近付け
もう少しで唇が触れあう…
そんな瞬間くるみは
「おくらちゃん…
おくらちゃんは私が好き?
好きだから今
キスしようとしてる?」
なんて…
下手れな俺にすごいド直球な
ストレートパンチをかましてくる(涙)
"そうや…
くるみが好きになったから
キスしようとしてますけど何か?"
それぐらい言える
根性と度胸が俺にあれば
この先の俺とくるみの未来は
また違う形を見せたのかもしれない…
けどそん時の俺は
キスを寸止めされたことが
恥ずかしいやら
いたたまれないやらで
素直な気持ちなんて
言える状態じゃなく
「ごめん…」
なんて…
何を謝っているのかも解らない言葉で
その場の空気を凍りつかせ
「そっか…ならいいんだけど…(笑)」
なんて笑うくるみが
どんな顔をしていたのかさえ
見ることが出来なかった…
それが俺とくるみの
初めての出会いと
初めてのすれ違いやった…