第8章 君が残してくれたもの
新生児室に並ぶ
たくさんの赤ちゃんたちを前に
胸がドクンドクンと高鳴るのを感じる…
「お待たせ(笑)」
そんな明るい声と一緒に
俺の肩を叩く手に
「この前はすいませんでした…」
そう言って勢いよく頭を下げると…
「うん…気にしなくて大丈夫だよ…?」
なんてみっちゃんは
笑顔でまた俺の肩をぽんぽんと
優しく叩く…
「あの…」
「うん?」
「赤ちゃん…
抱っこ…してあげたいんですけど…
ダメ…ですか…?」
「…もちろん…ダメじゃないよ(笑)
じゃあ…行こうか?」
前を歩くみっちゃんの後ろから
新生児実に入ると
みっちゃんは小さな赤ちゃんを
俺の腕に乗せる
初めてこの手に抱いた赤ちゃんは
ほんとうに小さくて
なんだかすごく弱々しい
でも次の瞬間
小さな体を震わせ
大きな声で泣き出した君は
"生きたいんだ!
だから私を守って?"
そう必死に訴えている気がして
だから俺はこの時
決めたんや
"君を守るために
もっともっと強くなろう"って…