第4章 君は強い!
無事病院を退院したくるみを
家に連れて帰る途中も
「きりのとこでいいのに…」
なんてぶぅぶぅ文句を言うてたけど
そんな言葉は
俺の耳には届いてなく(笑)
これから二人で過ごす時間に
頭も口も緩みっぱなしで
部屋に着いて
くるみの荷物を一つ一つ
広げながら
自分だけのスペースだった場所が
他の誰かのもので埋め尽くされていくことに
ここまで
幸せを感じまくってるんは
俺だけやろうか(笑)?
「よし…片付けも大体終わったし…
ホットコーヒー…はあかんから
ホットミルクでも飲もか(笑)?」
そう言ってソファーから立ち上がった俺に
くるみは嬉しそうに頷く…
小さいお鍋にコップ2配分の牛乳をいれて
沸騰する直前に火をきり
コップに移してから小さじ2はいの
ハチミツを入れてゆっくりとかき混ぜる…
はい…おくらちゃん特性
疲れもぶっ飛ぶ
あまーいホットミルクやで(ドヤ顔)(笑)
湯気の立つマグカップを両手に
くるみの待つソファーに戻り
自分の分は机に置いて
くるみのマグカップを手のひらに
包み込ませる…
「いい匂い…」
そう言ってゆっくりとコップに
口をつけたくるみは
あまーいホットミルクを
喉に流し込みながら
"んまぁい(笑)"
とすごく嬉しそうな顔をする…
くるみの口の端に付いたミルクの泡を
指先で拭うとへへっなんて
子供みたいに恥ずかしそうに笑う
くるみにゆっくりと顔を近付け
甘い香りのする唇に
唇を重ねと…
甘いミルクの香りと
久しぶりに触れる
くるみの唇の感触に
頭の中はふわふわと
ピンクな色に染まりかけるけど
そっと右手を伸ばし
くるみのお腹を優しく撫でながら
「早く会いたいなぁ…そらちゃん(笑)」
そう言ってゆっくりと触れていた唇を離す…
「…そらちゃんて…?」
不思議そうに首をかしげるくるみに
「そりゃこの子の名前やんか!
たぶん俺の予想では
くるみに似たかわいい女の子やで(笑)」
そう自信満々に言い切った俺にくるみは
「すでに親バカだぁ(笑)」
なんてけらけらと楽しそうに笑った…