第2章 Jewel
「ふぁーあ」
「見張り中に居眠りはすんなよい」
「わーかってるって!」
見張り塔で夜の海を見渡すエースとマルコ
エースはさっきからずっと欠伸を繰り返している
「ねみーのは分かるが、オメェが悪いんだよい」
「つまみ食いの何が…」
「俺らを食糧難にする気かよい!オメェのつまみ食いはつまみ食いじゃねぇんだよい!」
エースはぶつぶつ言いながらも見張りをこなす
グランドラインの海は安定しない
今は少し肌寒い
「なぁ、寒くねぇか?」
「オメェは服を着ろよい」
「背中の誇りが」
「風引くぞい」
エースはしぶしぶ服を羽織った
だが、だんだん寒くなっていく
あまりにも気温の変化が大きくて仲間が起きてきた
「うー、なんだこの寒さは!」
「いくら何でも気温下がりすぎだろ!!」
「何が起きてんだよ!」
ザワザワと夜中であるに関わらず騒がしい
マルコが何かを考えるような顔をしている
「マルコ、どした?」
「おかしいよい。この海域は普通温かいはずなんだよい」
「え?それじゃ、なんで」
「分かんねぇよい」
何かがおかしい
それは誰にでも分かった
あまりにも寒いのだ
「おおお俺、冬用の服着てくる!」
「俺のも持ってきてくれよい」
「おう!」
エースが見張り塔から飛び降りた
するとエースの周りに仲間が集まってきた
「エース!火を出せ!」
「はぁぁ!?」
「さみーから!火だ!火!」
「俺はストーブじゃねぇぞ!!」
人混みを抜けながら部屋に行く
クローゼットには黒いコート
エースはそれを手に取り、マルコの部屋へ行き同じくコートを持った
そして再び見張り塔へ戻った
「ありがとよい」
「あぁ」
「火であるお前も寒さは感じるのかよい」
「普段はそんなに感じねぇんだ。でもこれは…」
「寒すぎるよい」
その時、ナース達の声が聞こえてきた
「ダメですって!安静にしててくださいよ!」
「グララララ…、なーに、このくらい平気だ」
「オヤジ!」
全員の視線が白ひげことエドワード・ニューゲートを向く
「オメーら、風邪ひくなよ?」
「「「おう!」」」
何故だろうか
エースはこの時物凄い胸騒ぎがした
まるで何か、この後何かが起こるのではないかという、不安のようなモヤが心に残った