第1章 ごみ捨て場の宝石
シルバは何かに向かってゴミ山を迷いなく歩いていく。
そのまま暫く歩くと、ふと立ち止まって何かに耳をすませるかのように目を閉じた。
──おぎゃあ!!おきゃあ!!
風に乗って微かに聴こえてきたのは、赤ん坊の泣き声。
その声の発せられる方に向かってシルバは歩いた。
そして、そのものを目に留めた瞬間、シルバの顔が歓喜に歪んだ。
「やはり、勘というのもバカにはできんな」
そう呟くと、シルバはその赤ん坊をその逞しい腕に抱き抱えた。
自分の存在を、生命を主張するかのようにありったけの力で泣き叫ぶ赤ん坊。
まだ短いがはっきりと目視できる絹のような銀髪。
生命の輝きを灯す宝石のような紫色の瞳。
そして、その小さな身体には、微量ながらも確かにオーラが纏われていた。