第1章 ごみ捨て場の宝石
「良かったので?執事探しならば我々だけでも十分ですのに、貴方様が家を出て」
「問題ない。それに、今回は何かいいものが拾える気がしてな」
「…勘ですか?」
「勘だ」
ここは流星街。何を捨てても許される場所。
そんな街を歩く影があった。
数人の黒服集団を連れ、荘厳な雰囲気を醸し出す男が向かうのは、世界中の【ゴミ】が集まる場所。
ゴミ山の前でその男達は足を止めた。
「では、ここからは別行動ということで宜しいですか?シルバ様」
シルバ=ゾルディック。
世界で名高い暗殺一家の現当主。
それがこの男であった。
「新人探しは全面的に任せる。俺は俺で好きにさせてもらう。後は任せたぞゴトー」
「かしこまりました」
黒服もとい執事集団は最敬礼すると、そのままゴミ山の方へ向かっていった。
「…さて」
一人になったシルバは探るようにあたりを見回したあと、どこか確信めいて、導かれるように真っ直ぐに歩いていった。
「こっちに行くか…」