第1章 作成中
『やーっと終わったー!』
「って言っても、まだ1日目だけどね」
『何でそういうこと言うのさ~!みさのバカ、テンション下がる』
美「だって本当のことでしょ。ってか、にバカって言われたくない」
後ろの私の机に頬杖をついてしれっとしているのは、同じクラスで親友の橘美里(たちばなみさと)。
可愛い顔には似合わないような、白黒はっきりした性格でちょっと毒舌。
美「・・・何か失礼なこと考えてない?」
『、ないない!そんなこと、ちーっとも考えてなんてないよ!』
美「ってさ、」
『な、なに?』
美「本っ当、バカ正直だよね」
呆れたように大きな溜息をついて、目を細めて私を眺める美里。
うん、恐い。
和「2人で見つめ合ってる所悪いんだけどさ、」
『あ、にの。ごめん、気づかなかったや』
美「ちょっと、何睨んでんのよ。ってか何で私が睨まれなくちゃいけないのよ」
和「別に。ほら、さっさと帰るぞ」
美「何それ、感じ悪いよ二宮くん?」
和「うん、だって別にお前に用ないから」
美「用もないのに睨まれるって理不尽~」
『2人共怖い・・・』
和「いいからお前は早く支度しろって。みんな待ってんだよ」
毒舌同士の冷たい言い合いにビクビクしている私を知ってか知らずか、にのは話の矛先を私に戻した。
にのの指差した方を見ると、私の教室に廊下から顔を覗かせている相葉くんと目が合い、満面の笑みでこちらに手を振っている。
それに対して呆れる潤くんの声と、おかしそうに笑う翔くんの声が聞こえる。
『わーごめん!急いで支度する!』
和「テストだったんだからノートと筆箱くらいしか持ち物ねーだろ」
美「また5人で帰るの?本当仲良しだよねー」
『そうかな?・・・よし、出来た!』
支度が済みんで鞄を肩にかけると、にのは待ちくたびれたとでも言いたそうにため息をついた。
和「んじゃ、行きますか」
『うん、また明日ね、みさ!』
美「はいはーい、また明日」
最近はみさと一緒に帰ることはない。
何故なら、みさには彼氏がいるから。
そんなみさに手を振って、私とにのは教室を出た。