第2章 【裏】恋のスパイス/ナポレオン・ボナパルト
「…悪かったな。」
疲れ果て、ベッドで朧げな表情で俺を見つめる遥香の頭を撫でると、遥香は優しい笑みを浮かべた。
「ビックリしたけど、ナポレオンと繋がると、ああ、私本当にナポレオンの彼女になれたんだって実感出来るから。」
そう遥香は言うものの、乱暴に抱きすぎたという自責はある。大事にしたいという気持ちが大前提なのは勿論だが、それと同じようにコイツを征服したいと思う気持ちがあるのも事実。
「正直に言うと、他の奴らに少し嫉妬してた。」
「嫉妬?」
「ああ。お前が嬉しそうに他の奴らから貰ったプレゼントを見たり、ほいほいアーサーについて行ったりしようとしたり。」
それを聞くなり、遥香は笑った。
「ふふ。ナポレオンも嫉妬したりするんだね。」
「好きな奴は独占したいと思うのが普通だろ?…いや、お前だから独占したくて堪らないのかもな。」
きっと相手が遥香じゃなければこんなに嫉妬する事も無かった。そう思う程、俺は遥香に溺れてる。