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Redline【気象系BL】

第4章 秘密〈N×S〉


~S.




「…、櫻井、急にどうした?」
テストで、80点以上とらなきゃいけないから
授業の時間ちゃんと取り組んだら、どの教科の
先生も、俺を心配そうな目で見てきた。
「いや、ちょっと、」
理由を言う訳にもいかないので適当に誤魔化し
ノートにむかう。

「意外と、簡単…、」
数式やら、古文やら歴史やらのプリントを広げ
ながらそうつぶやく。
図書室の机の端でカリカリシャーペンを進まして
いく。
何時間たっただろうか。見てないからわかんない
けど、空が真っ赤に染まっていた。
気づいた時と同時に、図書室の扉が音をたてて
開いた。

「いつまでいんのよ、」
少し呆れ気味の和が顔を覗かせた。
「和!今から帰んの、気づいたらこんな時間に、」
「そんな俺の家行きたいの、?」
「俺の事ばかだと思ってる奴らをアホ面にして
やんの、」
「んはは、さすが、!」
送ってくよ。下で待ってるから。そう言い、白衣を
翻して姿をけした。
なに、あの人。どれだけ俺の事ドキドキさせれば
気がすむの、?
多分真っ赤であろう顔を隠しながら使った
プリントなどを片付けていく。
急いで下の駐車場にいくと、そこにはもう車の
中に乗って待ってる和がいた。

「和、!おまたせ、」
窓をコンコンと、叩き、ドアをあける。
「そんな待ってないけどね、」
そう笑いながら言い、車を走らせていく。
「にしても、テストがちなんだね、」
「そりゃ勿論、あたりまえでしょ」
運転席にいる和を見ながら、俺の家に着くまで
他愛もない話をしていた。

「ん、ほらついたよ。」
いつの間についたのか、もう家の目の前だった。
「もうちょっと居たかったなぁ、」
「はいはい、また明日会えるから、」
まるで子供をあやす様に頭を撫で、俺の
シートベルトを外す。
「ん、また明日…、」
去っていく車を家の前で、見えなくなるまで
見ていた。



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