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Redline【気象系BL】

第3章 裏の裏〈O×S〉


~S.





智くんは知らない。
俺の裏の顔を。そう、知られてはいけない。


俺の隣で幸せそうに笑い、俺に抱きつく智くん、
「しょーくんはかあいいな〜、」
ぐりぐり撫でくり回す彼。
「んふふ、擽ったいよぉ、」
久々に二人揃って休みがとれた平日の昼間。
予定をたてたい俺には少々そわそわする日だけど、
たまには、こんなのもいいかなぁって目を瞑る。

「しょーくん寝んの?」
コップを傾けながら聞く智くん。
「んーん、撫でられるのいいなぁって、」
「んはは!猫か!」
ケラケラと笑い、俺の頭を鳥の巣にしていく
智くん。
「わっ、ちょ!!ボサボサになる、」
「どんなしょーくんもオレ好きだよ」
「んへへ、嬉しい、」

どんな俺…、ね、
付き合う様になってから色んな自分を見せてきた
かもしれない。それでも、それでも
俺の裏の顔だけは言えずに今までを過ごしてきた。
まぁ、別に罪悪感とか、背徳感とか、自分の中に
存在していない。なんて、薄情だ。とは思うよ。
でももう、止めれないとこまできてるんだ。

しょーくん何か食おう、と立ち上がる智くん。
ハッとして時計をみればもう時計の針は二つ共
上を向いていた。
台所についた智くんはガサゴソと冷蔵庫をあさり
昨日の残りである刺し身を取り出した。
「しょーくんは麦茶つくって、?」
「麦茶、?いいよ、俺の得意料理!」
コップを2つだし注いでいく。

「いただきます」
二人で声を揃えて、テレビを見ながら食べる。
「ぁ、今日の夜…、出掛けるんだ、智くん」
「んー、?大丈夫だよしょーくん」
はたと約束した用事を思い出し、智くんに言えば、
彼は笑ったまま、あんま遅くならない様にしろよ
と言うだけだった。

その笑顔が、あまりにも綺麗で。
俺の心を見透かされている様な気がして。
少しどきりとした。


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