第11章 厳寒の侯〈 ×S〉
~S.
夢をみた。とてもふわふわして心地の良い夢だ
目を開けてぼんやり夢の内容を辿る。
ふと、隣に気配を感じ横を見れば、智くんが
寝息をたてていた。
「ん、……、もう朝、?」
もそもそと起き上がったと同時に目の前のドアが開いた
「あ、しょーちゃんおはよう、よく寝れた?」
「おはよぉ、雅紀」
朝から変わらない笑顔をみせる雅紀に気が緩み
俺も笑いながら返す
智くんを惜しいが起こして、一緒にリビングへ行く
「ふわ、ねむ……」
「智くんいつも眠いじゃん」
「あ、翔さん、大野さんおはよ…もう朝食できてる
から、座って座って」
リビングに入れば、潤が急かして来たので、
急いで座る。目の前の豪華すぎる朝食に、感嘆の意をもらす
「しょーくん、俺らの愛…伝わった?」
「んぐっ、!…っ、けほ、何…急に、」
他愛もない話をしていて、間が空いた時、急に聞かれ
飲んでたココアが気管に入った
「翔さん大丈夫?」
隣にいたニノに、大丈夫と頷きながらちらり、と
智くんをみる
「もう、一人で抱えなくていいからな」
こう言う事を、さらっと言える智くん、バレない様に
してたのに、結局お見通し、って訳か
「伝わったよ…、ちゃんと」
顔に熱が集まるのがわかった
「しょーちゃん!照れてんの?」
「よかった、翔さん今までごめんね、」
「ん………、照れてないし、潤も…大丈夫」
「良い誕生日、過ごせた…ありがとう」
「それはよかった、」
こんな、何もなく平和な朝を過ごせるなんて、
思わなかった。
再びココアを流し込みながら、楽しそうに話す4人
を見る
やっぱり、俺の居場所はここだ…
自然と、笑みがこぼれた
「んふふふ、ふふっ、ふははは!」
「え!?しょーちゃんどうした!?」
「俺、皆にあえてよかった、」
改めて嵐である有り難みがわかった誕生日だった。
いつまでも、平和でいたいな…。
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