第11章 厳寒の侯〈 ×S〉
~N.
何ヶ月か前から、俺ら4人はライバルであり、仲間
でもあった。
意志結託する原因にもなったのが、そう。
"翔さんへの好意が異性へ抱くものと同じか"
答えは勿論、全員同じ。
ここで揉めても多分、いい事なんてないからと、
俺から提案したのが
「じゃあ共有しましょう。翔さんには悪いですが
争いごとにならないように、」
例えば、誰かが翔さんを誘ったらその主旨を
ほか3人に伝え、了解をとる事。と言うものだ。
でも結果、それが翔さんの背徳感を増幅させる
事になったと、気づいたのはこの提案をしてから
しばらくたった頃。
5人揃って久しぶりに飲んだとき、翔さんは
涙を流しながら俺達に聞いてきた。
「俺はどうしたらいいの…」
その涙は、綺麗で美しく、でも儚さを纏って
俺は、何て事をしたんだろう。と思った
「しょーくん、ごめん…、」
そう、大野さんが翔さんを抱きしめた時、
皆、翔さんを愛してるからこそ、悲しんでほしく
ない、と思った。
大野さんに縋りながら、
「俺…、4人なら、受け止めるよ、?」
そう言う翔さん
誰もが口を噤んだ部屋に、重苦しい俺の声が響く
「ごめん翔さん、怒るなら…俺に怒って、
提案したの俺だし、」
許されないかもしれない。
でも翔さんは、少し微笑みながら俺に抱きついて
「大丈夫だよニノ、だから泣かないで」
俺、4人なら大丈夫。と言った
久しぶりに、涙がでた。
「ニノ、ごめん…、オレも」
「あんた何も悪くないでしょうよ、」
「ニノ一人に背負わせなきゃよかった、」
「相葉さんも、らしくない、」
「ごめん、ニノ」
「潤くんも、大丈夫だから…俺」
この日から、皆で仲良くするようになった。
勿論、誰が隣に座るとか、そう言う小さい事で
火花が散る事もあったけど
それを翔さんは笑って、見ていた
「やっぱ、こっちが俺ららしいよ」
「…、だね、」
大野さんの隣に座った翔さんが小さく呟いた
言葉に、4人が頷いた。
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