第5章 第4章 歓迎会
「あはは、いいよ。ここは学園じゃな
いしさ。タメ口でも呼び捨てでも大丈
夫だよ?」
「あ、本当? じゃあ、遠慮なく」
「一切の躊躇もないね。まぁ、学園内
でもタメ口がよかったらタメ口でいい
んだよ」
チョコポッキーを昴の頬に押しつけ
ながらリーシアは笑う。
「それは流石に。節度ってもんもある
し」
「それは残念」
リーシアはチョコポッキーで昴の頬
を突っつくのを止めるとポリポリと食
べる。
「紫乃ちゃんと零は学園内でもタメ口
ですもんね。理事長的には今さらって
感じでしょうか?」
桃花は身を乗り出すと、昴越しにリ
ーシアの顔を覗き込む。
「まぁね、でも……」
リーシアは袋からまたチョコポッキ
ーを取り出すと、桃花の口元へ運んだ。
桃花は口を開けて受け取る。
「敬語でもタメ口でも大した違いはな
いよ。
君らは……仲間……だしさ……?」
そう言ったリーシアの眼は長い前髪
に隠れてよく見えなかった。