第7章 ☆Story5☆ 溢れる恋心
ゆりside
あの後、私たちは原宿の街を楽しんだ。
藤ヶ谷さんと今日1日一緒にいて感じたこと、
それはお兄ちゃんみたいだなって……思った。
私は、当然一人っ子だから上にも下にも兄弟がいない……だから、
兄弟がいるくるやなぎは羨ましい。
ちょっと、お兄ちゃんができたみたいで嬉しかった。
「そんじゃ!最後はやっぱプリクラで締めようぜ!」
「プリクラ……ですか……」
プリクラなんて、随分撮ってないな……デビューしてからは、
そんなプリクラも撮りに行かなかったし……でも、
パパを無理こり連れて行って撮った記憶は覚えている(苦笑)
『パパ!あれなーに?』
『プリクラ、中高生がよくやってるやつ。
小学生のお前にははえーよ。』
『えぇぇ!?千鶴ちゃんは颯太くんと撮ったって言ってたよ!!
来海ちゃんだって、家族みんなで撮ったって言ってたもん!!』
『向こうは向こう、うちはうち。
そんなに撮りたいなら、友達誘って行って来ればいいだろ……
今日は撮らねーからな。』
『やーだっ!!パパとプリクラ撮るぅぅぅっ!!』
『駄々をこねるな。』
『やぁやぁ!!』
『っだぁぁもうわかったよ……!
撮ればいいんだろ、撮れば……』
『やったぁ!♪』
『……。』
(ほんと百合そっくり……)
「そ!1日の思い出の記念としてさ!」
「……別に、いいですけど……」
「よっしゃ♪」
「……凄く、嬉しそうですね……」
「そりゃそうじゃん……?
好きな子と撮れるんだからさ。」
「……。」
「……あれ?
何も感じない?(苦笑)」
「あくまで、お兄さんみたいだなって思ってるので。
特に意識、してませんけど……」
「……そっかぁ……(涙)」
確かに、好きでもない男の人と二人でプリクラ撮るの……やっぱりあれだったかな……
でも、引き受けちゃったし今日は撮ろうかな……