第7章 ☆Story5☆ 溢れる恋心
ゆりside
私は怖さのあまり、三船さんに抱きついてしまった。
でも、三船さんは私を安心させてくれるかのように頭を撫でてくれた……。
「アイツは、俺が中学の時に一時期つるんでた班田だ。
怖い思いさせて、悪かった……」
「っいえ……三船さんは、何も……」
三船さんは、全く関係ない……
私が勝手にぶつかって、絡まれただけなのに……
三船さんはちっとも……
抱きしめる三船さんの身体、身長や体格から見てパパと同じくらいかな……
凄く、大きくて、温かった……もう少し、この温もりに触れていたい……。
_ぎゅっ…
「っ……おい……」
「もう少し、だけ……」
「っでも……」
私は腕の力を強めた。
もう少しだけ……こうしていたいの……。
「っ……っゆり!」
「っ……!?」
でも、一瞬にして現実に戻された。
顔を上げ、三船さんの後ろには、ある人がいた……。
「っ……パパ……!」
三船さんの後ろには、複雑な表情を見せるパパと……
「……。」
ただこっちを見ている藤ヶ谷さんがいた……。
藤ヶ谷さんは、なんとなく想像つくけど……なんで、
パパまでいるの……?
「……どっちも、お前の知り合いか。
なら、もう安心だな。お父さんも、いるんだからよ……」
「っ……」
三船さんはそっと私から身体を離した。
それが、凄く寂しくて……悲しくて……
胸が苦しい……。
「っ……っゆりちゃん!」
「っ藤ヶ谷さん……」
藤ヶ谷さんは私のところに駆け寄ってきた。
「っ俺……」
「……。」