第7章 ☆Story5☆ 溢れる恋心
憲吾side
「っ……藤ヶ谷さんのばか!!」
「っ……」
「うおっ!?」
「っ!?」
藤ヶ谷ゆりが叫んだと思った矢先、勢いよく店を出て言った……
「っ一体……どうなってんだ……」
「っ……!」
「っおい!!憲吾!!」
俺は自然と足が動いていた……
「っ……」
(嫌な、予感がする……)
咄嗟に感じた嫌な予感……彼女を、一人にさせるのは危険だと感じた……。
もしまた変な輩に絡まれたら……
ただ彼女が無事なことを祈り走り続けた。
なんで、あの時しか会わなかった彼女にここまでなるのか、よく分からない……
ただ……
「っ放っておけない……」
放っておけない……。
ただ、
それだけだ……
なんとか視線に彼女をとらえることはできている……
_どんっ!
「っ!」
「っおい!待て!!」
必死に彼女の後を追いかけていると誰かにぶつかった……でも、
謝っている暇なんてない……早く、早く……
「早く追いつかねぇと……」
しばらく走り続けようやく追いつこうとした時、嫌な予感が、
当たってしまった……。
「……おい、あいつとはどういう関係だ?」
「っ知りません……!三船憲吾なんて人、私の知り合いに_グイ!っきゃ!」
「正直に言うのが、身のためだぞ……」
「っだから……知りません……そんな人……」
「っ!?」
もっとも最悪な事態になってしまった……
彼女は運悪くも……俺が中学の時につるんでいた班田に捕まっていた……。
班田は、色々と面倒なやつだ。未だ俺に絡もうとしてくる……
もし彼女と俺に少しの接点でもあるとわかったら……彼女の身が危ない……。
これ以上、
「っおい!!」
「っ……」
「あぁ?」
「班田……お前……」
「っ……!」
危険な目に合わせるわけにはいかない……。