第7章 ☆Story5☆ 溢れる恋心
「っ!?
き、君は……キスマイの……」
「っゆりちゃんのお父さん!!
っなんで、ここに……」
咄嗟にぶつかってきたのはタイスケだった……
「っおい……!」_グイ!
「っ!」
太輔は咄嗟にタイスケの胸ぐらを掴んだ。
「お前、何があった……ゆりに、一体何が起きたんだ……」
「っ……それは……」
「さっきの、男と何か関係があんのか……」
「っ……いえ、大方は、俺に原因が……」
「っ……!」
太輔は胸ぐらから手を離すとゆりが走っていった方へ向かって走り出した。
そしてタイスケもその後を追うように走り出した。
『意外と、体力も昔のままなんだね。』
「っ走んのなんて、10年以上も前だよ……」
『……さっきの子……』
「藤ヶ谷タイスケってやつか?」
『ううん……その前の……』
「……黒のジャージの?」
『うん……』
「それが、どうかしたか?」
『ううん、ちょっと気になっただけ……』
「……。」
タイスケside
「っ……藤ヶ谷さんのばか!!」
「っ……」
ゆりちゃんは、俺が発した言葉のせいで店から走り出してしまった。
『っ藤ヶ谷くん……!早く、早くゆりちゃんを追って!』
「っ……あぁ、わかってるよ!」
今の状態で、一人になるのは危険だ。
ただでさえ10代ファンが多い彼女、そんな10代の子たちが集まる原宿なんかに現れたら、
大混乱に陥る……現に、お店のこの状態だってそうだ……。
俺が彼女を追いかけようとした時……
「っ……!」
「っおい!!憲吾!!」
「っ!?」
俺が走り出そうとし時、三船までもが走りだし、
友達と思われる奴を置いて店を勢いよく出ていった。
「っ……くそっ!」
アイツには、何も関係ねぇくせに……なんで関わろうとすんだよ……
お前には、関係ねぇだろうが……お前に、
彼女はどう映ってんだよ……。