第6章 ☆Story4☆ パパの悩み事、娘の誕生日と…
『羨ましいって言うけどさぁ……そう言う太輔も、あの頃とほとんど容姿が変わってないじゃん?
そう言う意味では羨ましいよっ』
「……そういえば、お前はずっと俺たちのそばにいたのか?」
『そばというか……空の上からちゃんと見てたよ?
陸が、日本テニス選手権で優勝して、今はジュニアテニスクラブでコーチをしてること。
和真くんが、学校の先生になって、今は太輔と同じ高校で生物教師をしてること。
美香ちゃんは洋菓子専門のパティシエで、怜はゲーム会社でプログラマーとして活躍してること……
お兄ちゃんがモデルを引退して、颯太さんと一緒にファッションデザイナーをしてることも全部……』
「ちゃんと、見ててくれていたんだな。お前はずっと……」
『うん……でも、私は見ることしかできなかったから、こうして話せるのが嬉しいんだ……
今度は、身近なところでみんなを見ることができるしね。』
「それじゃ、ゆりのこともずっと……」
『当たり前じゃん。私の、たった一人の娘だし……ちゃんと、見ているよ?
……恋愛事情とかね(笑)』
「っ!?
れ、れれ、恋愛、事情……?(汗)」
『相変わらずわっかりやすーい(笑)
だってもう14だよ?普通に気になる人くらいできるでしょ。』
「……(固)」
(まさか、ゆりが気になってるのってキスマイの……)
『ついでにさー、ゆりの初恋とかって知ってる?(笑)』
「っは、初恋!?そ、そんなこと少しも……」
『ふーん(笑)』
「ぬいぐるみの格好のくせに、ムカつく顔……」
『知りたい?(笑)』
「っべ、別に……」
『女の子ってさー、よく昔は「パパのお嫁さんになるー♡」とかって言うけど、
ゆりは全くそう言うのなかったよね!』
「……そうだな……」
『拗ねてるー(笑)
それはねぇ……団司さんだからだよー♪』
「っ!?
ゆりの、ゆりの初恋が団司くんなのか……?(汗)」
『うんっ
ほら、ゆりが生まれた日さ、異様に団司さんに懐いてたでしょ?
太輔よりさ(笑)』
「っ余計なお世話だっ!!」
(マジかよ……)