第6章 ☆Story4☆ パパの悩み事、娘の誕生日と…
「っ百合……」
『……そろそろ、帰ろうか。
お腹すいちゃったよ……。』
「お腹すくって……ぬいぐるみなのにご飯食えんのか?」
『うん、ご飯も食べれるしお風呂にも入れるよ。』
「ふ、風呂って……ぬいぐるみだろ……(汗)」
『ちゃーんと入れるもんねっ!』
「……(汗)」
_自宅マンション
『昔からうちは変わらないんだねぇ』
「そりゃあな、二人で暮らすには十分だし、現にゆりは、寮暮らしだからな……」
『……寂しい?ゆりに会えなくて。』
「……いや、3日に一度、顔を合わせながら会話してるし……それに、あれくらいの歳になったら、
親との距離もある程度撮りたくなるだろうしな。」
『ふーん……でも寂しいでしょ?』
「……。」
『でも、しばらくの間は一緒にいてあげることができるから……』
「……そうだな。こうして会えるなんて、夢にも思わなかったよ……百合。」
『私もだよ……』
「本当に、ゆりにお前のこと話しちゃダメなのか?」
『うん、それに……今ゆりには、ユウがいるからね……』
「っユウって……まさかあの……」
『そう、お兄ちゃんが私の誕生日にくれたテディベア。
大丈夫、あの子は私がいなくてもきっと……でも、ゆりがちゃんと独り立ちするには、
太輔が、前に進まないと……』
「っ……俺が……」
『そう、さっきも同じようなこと言ったけど……太輔が前に進まないと、
ゆりも前に進むことができないの。』
「っ……」
『だから、私はそのお手伝いをしにきたの。』
「っ百合……」
『……ちゃんと、ゆりと向き合えてる?
少し、すれ違っているんじゃない?』
「っ……そう、かもな……」
『もうすぐ、ゆりの誕生日だね……それに、私の命日も……』
「もう、6月下旬だもんな……」
『太輔は、もう何歳になったの?』
「……43、かな……」
『あらまぁ……もうそんなになったのかぁ……私はまだまだ17歳のままだよぉ♪』
「……羨ましい。」←