第6章 ☆Story4☆ パパの悩み事、娘の誕生日と…
『ゆりには、私のことも、レンが喋るぬいぐるみだって、言わないで?』
「っ……!?」
『……。』
「っな、なんでだよ……ゆりは、ずっとお前に会いたがって……」
『あのね太輔?』
「っ……」
『私は、家族と一緒に過ごすために地上に来たわけじゃないの。』
「っどういう、意味だよ……」
『私“たち”は、太輔とゆりを独り立ちさせるために、来たの……。』
「っ……?」
『……。』
「っ意味、分かんねぇよ……独り立ちって、どう言うことだよ……俺とゆりをって……」
『二人とも、昔の時間のままで止まっている……。』
「っ……!?」
『昔のまま、時間が止まっていることはいけないことだよ……ちゃんと、
前に進めていないってことだからね……。』
「っ俺らは、前に進めて……」
『そう……さっきだってそう。
私はもう、死んだんだよ?本当は、こんなことがあっちゃダメなの。』
「っ……」
『でも、私にも責任はあった……私が、ちょっと余計なことをしちゃったから、
二人とも、私から未練を断ち切ることができなくなってしまった……。』
「っ余計な、こと……?」
『私さ?
よく、夢の中に出てきたこと、覚えてる?』
「っ!……あぁ……今でも、覚えているよ……週に一度、お前が夢の中に出てきて、いろいろ話したこと……」
『うん、そうだったね。ゆりが幼稚園にあがるまで、私は二人の夢の中に現れ続けた。
それが、二人のためになると思って……でも、それは私が満足するだけで、二人のためにはならなかった。
現に、今の状況がそうだから……』
「っそんなこと!
そんなこと、あるわけない……きっとゆりは、お前がいたことで笑えていたんだ……」
『そうかもしれない、あくまで、その時は。
でも……今でもゆりは、私が夢に現れることを望んでしまっている……。』
「っ……」
『私には、責任があるの。だから、こうして罪を償いに再び地上に現れることになった。
ぬいぐるみの姿を借りて……。』
「っ百合……」