第6章 ☆Story4☆ パパの悩み事、娘の誕生日と…
『そりゃあ、ずっと二人を見てきたからだよ。
太輔……。』
「っ!」
(っやっぱり……このぬいぐるみは……)
『私とした約束、ちょっと違う方向に向かってるんじゃないの?』
「っ百合……やっぱり、百合なのか……?」
『……。』
「っなぁ……」
『……そう、私だよ。
太輔……。』
「っ百合……!」_ぎゅっ…
太輔は今は亡き人となった妻・百合と思われるレンを抱きしめた。
『……本当は、会っちゃいけない約束なのにね……破っちゃったよ……でも、
神様にはちゃんと断ってきたよ。条件付きでね……』
「っ条件付き……?」
『うん……あの日、言ったじゃん?神様に背くと、罰をもらうことになるって……』
「っ……!」
『っじゃあ……もう一度この体の中に戻れよ……!
だったら、だったらまた……』
_それは、だめなの。
『っなんで……!』
_なんでって、当然じゃん。先生なら、ちゃんと知ってるでしょ?
一度抜けた魂……命は戻らない。
私は、一度死んだ身なの。ただ今は、無理言ってここにいられるだけなの。
本当は、ここにいちゃいけないいの。
もしそんなことしたら……神様からバツもらっちゃうよ。
『っ……』
_そんなお願い、しちゃダメ。
もししたら、
私だけじゃなくて太輔も……幸せにはなれない……。
私たちは、永遠に離れ離れなんだよ?
会いに来れないんだよ?
『あの言葉通り、神様に背くことは許されない……。』
「っじゃあ、お前はどうなるんだ……?」
『それは……言えない。』
「っなんでだよ!」
『神様との、約束だから……自分で言うのもあれだけどさ、
私こう見えて結構神様に気に入られているんだよね……だから、ちょっと無理言ってお願いしてもらったの。』
「っ……じゃ、じゃあ……!
しばらくの間は……」
『……うん、一緒に居られるよ?
でもね……』
「……?」
『ゆりには、私のことも、レンが喋るぬいぐるみだって、言わないで?』
「っ……!?」