第6章 ☆Story4☆ パパの悩み事、娘の誕生日と…
太輔はじっとレンと名付けられたぬいぐるみを見つめた。
「……。」
「なんか、不思議な感じしない?今にも喋り出しそうな感じ。」
「っぬいぐるみが、喋るわけないだろ……」
「あくまで想像だよ(笑)
でも、義兄さんと二人きりになった瞬間、喋りだすかもね……
もしかしたら、ユウっていうぬいぐるみもさ……」
「っ馬鹿馬鹿しいよ……」
「ははは(笑)
ついでに、ぬいぐるみの服もあげるよ。妹手作りの。」
「っ別に、いらなn‥「はいっ」っだからぁ……(汗)」
裕太から洋服まで渡される太輔。
「お世話、ちゃんとしてあげてね。」
「お、お世話ってな……(汗)」
こうして太輔はむりむり裕太にぬいぐるみを持たされ帰ることに。
「じゃあ義兄さん、命日の時にまた。」
「あぁ……」
(最後まで断りきれなかった……汗)
「ちゃんと、ゆりと話し合うんだよ?」
「……わかってるよ。」
「……うん、おやすみ。」
「……おやすみ。」
紙袋を片手に自宅へ足を進める太輔。
「はぁ、まさか40過ぎでぬいぐるみを持つことになるとは……」
『ホント押しに弱いね。』
「っ!?」
突然声が聞こえ、その場で立ち止まる太輔。
「っだ、誰だ……どこに……」
『ここよここっ!』
「っ!?」
太輔は紙袋に目を向ける。
『ふふふぅ♪』
「っ、お、お前……?喋ったの……」
『そそ〜♪』
「っ……」
(っこの感じ、百合に似てる……まさか……)
『……奥さんみたいって思ったぁ?』
「っ!?」
『まぁ、そう思うのは自由だよ。』
「っ百合……百合なのか……?」
『……。』
レンはじっと太輔を見上げていた。
太輔は咄嗟にレンを持ち上げ紙袋を道路に落とした。
『……娘ちゃんと同じ目をしている……。』
「っ!?」
『凄く、寂しそうな目をしている……』
「っ……お前、一体何者なんだ……なんで、俺やゆりのことを……」
『そりゃあ、ずっと二人を見てきていたからだよ。
太輔。』