第21章 ☆Story19☆ 通じ合う2人のココロ
ゆりがステージからいなくなった後も、あちらこちらで涙が出てすすり泣く声が聞こえてきた。
「っうぅゆり……今までにないくらい感動したかもぉ……涙」
裕太はすっかりボロ泣き。
「あぁ、そうだな……」
(なぁ百合……)
太輔も少しの涙を浮かべながら、百合の頭を撫でた。
百合は涙を必死にこらえていた。
『っ……ぅ……』
(憲吾くんにも絶対伝わったよぉ……涙)
「それにしても……ゆりの大切な人って誰だよぉ……!涙
まさか彼氏とかもうできちゃったの!?涙」
「『……汗』」
((裕太くん/お兄ちゃん、相変わらずなんだから……汗))
だが隣の裕太の言葉で少し涙が引っ込んだ2人なのだった。
「廉さん……」
「あぁ……サイコーだったな……」
廉と美男は涙を流しながらも微笑んでいた。
「うぅ……みんなにつられて俺まで泣きたくなってきたよ!!」
「泣けばいいだろ……それくらい、感動したんだから……」
柊と勇気も聴きいっていたようで勇気は目元を真っ赤にしていた。
柊は涙を流していないものの、目には涙が溜まっていた。
「っ……両思いじゃん、あの2人……っ……」
タイスケは目を真っ赤にさせながら手の甲で涙を拭っていた。
「っこれで、お前も吹っ切れるんじゃねぇのか……あの2人を見届けて……」
ヒロミツも少し涙を浮かべていた。
「っ……別に、付き合ったら付き合ったで別れさせるまでだしっ」←
涙を浮かべながらも宣言するタイスケ。
「「「お前はいい加減諦めるということを覚えろ……」」」←
そしてタイスケの言葉に揃ってツッコむキスマイのメンバーであった。
こうしてゆりのソロコーナーは感動的に幕を終え、コンサートもいよいよ終盤。
フィナーレに入ろうとしていた。
ちなみにフィナーレではファンの近くで歌うことになっている。
会場はまた暗くなり、6つの場所にスポットライトが当たる。
そのスポットライトの先にはメンバーの姿が現れた……。