第21章 ☆Story19☆ 通じ合う2人のココロ
『あなたに あなたに伝えたい言葉があるの
最後まで ずっと 言えずにいた……
誰より、誰より あなたの そばにいたい……
今でも 誰より強く……
愛しているの……っ……』
(歌い、きった……三船さんにも、伝わったかな……)
ゆりは最後まで演奏を終えると椅子から立ち上がり、
憲吾の方に目を向けた……。
「……(微笑)」
「っ……三船さん……(微笑)」
憲吾は涙を流しながら小さく微笑んでいた。
ゆりもそれに応えるように小さく憲吾の名前を呟いて微笑んだ。
そして大きな拍手が会場に大きく響き渡った。
「ゆりちゃんすごくよかったよーー!!」
「サイコー!!!」
『っ……ありがとうございました!』
ゆりは大きな声で「ありがとう」と会場に伝え、深くお辞儀をした。
大きな拍手はしばらく鳴り止むことはなかった……。
ステージ裏で見ていたユウや来海たちは……
『……(微笑)』
(ゆりちゃん……僕たちの方にもすごく伝わってきたよ……ゆりちゃんの強い思いが……)
「っうぅ……ゆり〜……泣」
「来海、泣き過ぎよ……次は全員でステージに、っ出るんだから……」
「っだってぇナギ〜……泣
そう言うナギだって泣いてるじゃん!!」
「う、うぅぅ……ゆりちゃぁぁぁん!!泣」
来夢は感動のあまり大泣きをしていた。
「っゆりちゃん……」
「ゆりには、誰より大切な人がいるのかもね……」
愛美と千鶴も小さく涙を浮かべながらゆりを見ていた。
そしてステージ上のゆりは、大粒の涙を流していた。
『っ……最後まで、聴いてくれてありがとうございました!
また後で、っお会いしましょ……』
ゆりは再び頭を下げると、ステージ裏へと消えていった。
「「っゆり(ちゃん)……!」」
「っみんな……何泣いてんのよ笑」
「そりゃ泣くに決まってんじゃんあんなの!!
ゆりまで泣いてるんじゃ余計また涙出てくるじゃん!!」
「来海……」