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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!

第21章 ☆Story19☆ 通じ合う2人のココロ


『「サヨナラ」 ふるえていた あの日の声
心に 刺さったままで
どこへも 行けない 道しるべさえ、 見えない……』




「……。」




『あなたに あなたに……
伝えたい言葉があるの……っ……



【俺は……お前のことが好きだ……】


【っ……三船さん!私m‥【すまないが、今日は帰りたい……】っ……】


【っ……これ以上お前といると、俺が俺でなくなるような気がするんだ……】


【っ……】



っ最後までずっと 言えずにいた……』



ゆりは歌っている途中、夏祭りでの出来事を思い出してしまい一瞬言葉を詰まらせたが



構わず歌い続ける……。




『もう一度、もう一度 その手に 触れられるのなら
抱きしめてもう二度と  I'll miss you
離したりしない……』
(っ三船さん……私はあなたのことが好きでたまらないんです……)



ゆりは涙を一筋目から流した……。







「っゆりちゃん……憲吾……っ!」



「……。」



吾郎はふと憲吾の方に視線を向けた時、ぐっと息を飲んだ。



「っ憲吾……お前、泣いてるのか……?」



「……。」



憲吾はゆりにつられたのか、目には少しの涙を浮かばせていた。






『あなたの香りも 声も 優しさも、
この部屋に残る全てが 愛しくて……
忘れ物を 今でも探している

I'll miss you もっと  I'll miss you
失くしたのに もういないのに……』






「ゆり……」



『……。』
(ゆり……思いっきり想いを伝えていいんだからね……)



太輔と太輔の膝の上に乗っていた百合もじっと息を飲みながらゆりの歌を聴いていた。





「今までにないくらい、気持ちを込めてる感じが伝わってくるな……」



「っ……あぁ、そうだな……」



タイスケも少しの涙を目に浮かべながらゆりの歌声を聴いていた。



そして曲も終盤に入りかかり、観客の中に沢山の泣き声やすすり声が会場に聞こえていた。



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