第21章 ☆Story19☆ 通じ合う2人のココロ
コンサートは終盤に近づき、いよいよゆりのソロコーナーに入ろうとしていた。
バックダンサーを務める女の子たちはセッティングを進め、ドルチェのメンバーはステージ裏で休憩を取っていた。
ちなみにステージには天の川が輝く夜空をイメージしたものになっており、
ホワイトカラーのピアノがセッティングされている。
「そういえば、A.N.JELLとか来てないね……まぁ桂木は来なくてもいいけどさ!」←
「本当に裕太くんたちは昔から「俺がなんだって?」っ桂木くん……」
太輔と裕太の後ろには廉をはじめとするA.N.JELLのメンバーが立っていた。
「っ桂木!
なんでお前がいんだよ!」
「るっせぇ!それはこっちのセリフだ!」
「「裕太くん、/廉、落ち着け……」」
太輔と柊はいつも通り揉める2人をなだめた。
「「……。」」
((相変わらずだなあそこは……汗))
「藤城君たちは、仕事か何かで?」
「えぇ、でも今日のコンサートでゆりちゃんがMiss You歌うって聞いて、
廉が急いで仕事を終わらせてきたんですよ。」
「っ柊!
てめぇ余計なこと言うんじゃねぇ!」
「でも、一番ゆりちゃんのカバーを期待しているのはお前だろ?」
「っ……ッチ!」
「相変わらずなんだから廉さんは!」
「廉さん、たまには素直になってくださいよ!」
「……。」
廉は渋々そうにしながら席に座った。
その一方でステージ裏では……
「いよいよ次かぁ……」
ゆりはユウを抱っこしながら呟いた。
「……それにしても最近仕事場にぬいぐるみ持ってくね……」
来海は目をパチクリさせながらユウを見た。
「ま、まぁ……元々ママのだったし、なんか……ママに見守れてる感じがするからさ……あはは(苦笑)」
「ゆりちゃん、そろそろスタンバイお願いねっ」
「あ、涼介さん……はい、わかりました!
じゃあ、ちょっとだけ預かってて……」
ゆりはユウを来海に渡すと、ステージに上がった。
「……私たちも近くでも見よ!」
「そうね、」
来海達他のメンバーはステージの様子をファンから見えない位置で見守った。