第21章 ☆Story19☆ 通じ合う2人のココロ
一方のコンサート会場では…
「いよいよコンサートかぁ♪」
「お前……すごい格好だな……」
最前列の席には憲吾と吾郎の2人が座っているわけだが……
「ハチマキにTシャツにうちわ、ペンライト……これ普通だぞ?」
「……汗」
「憲吾も何かつければいいのに……」
「俺は遠慮しておく……」
「チェェ……あ、おいおい!」
「なんだ?」
「あっちの関係者席さ……キスマイとかいねぇか?」
吾郎は向こう側の席を指差した。
憲吾も渋々視線を送ってみると……
「……居たな。」
タイスケや他のメンバーの姿のほか、多数のグループ勢がずらっと私服で座っていた。
「やっぱ……ドルチェはアイドル界きってのトップグループだもんな……応援も含め偵察って感じか……
あ!そこの近く、ゆりちゃんのお父さんとかもいねぇか!?」
「……居たな。」
「……まぁ、自分の子供を見に来るとなれば当然か……あそこらへんは保護者席なのかな……」
「……。」
「っあ、悪りぃ……」
「なぜ謝る……」
「っいや……」
「俺は、もう捨てられた身だ。
親に対して……なんの未練もない……」
「っ憲吾……」
太輔side
「義兄さん!」
「裕太くん……って、相変わらずだな(苦笑)」
「そりゃあ大事な姪っ子のコンサートだし!
初日は絶対来るって決めてるの!」
裕太も吾郎同様フル装備。
裕太の他にもメンバーの家族、親族が来ている。
なので当然北山家もきてるわけだが……
「みっくんいたの。」
「お前の席はこーこ!
わざわざ行かなくてもいいだろ!」
「同じ列なの。」
「同じ列でもだ「行くの。」…おーい、結月〜涙」
「全く……」
「ホント父さんには困ったよ!」
通常運転の北山家……
「みっくん……」
「よぉ〜結月ちゃん、また来てくれたのか?」
_コクッ「ん、来たの。」
2人はすっかり仲良しこよしである。
「う、うぅぅ……もうパパなんて辞めてやる〜!!」←
「北山先生、いい加減にしてくださいよ……」
太輔は呆れた様子で宏光を見るのだった。