第21章 ☆Story19☆ 通じ合う2人のココロ
_8月15日、コンサート当日…
_楽屋にて
「いよいよ数ヶ月ぶりのコンサート、頑張らなきゃね!」
来海は準備運動をしながら張り切っていた。
「そうね。
でも、ゆりのファンは大丈夫かしらね……」
一方の凪咲はゆりの記事の一件を気にしていた。
「事務所側もテレビ局側も否定してるし、大丈夫だとは思うけど……やっぱり心配だよね……
ゆりちゃんのとこ、最近過激なファンもいるって聞くし……
ゆりちゃん、本当に大丈夫?」
愛美は心配そうに隣に座るゆりの顔を覗き込んだ。
「私は大丈夫だよ!
私なりに、SNSでも否定したし……ほとんどのファンはわかってくれてると思うから……」
「ま……大体は純粋に私たちを応援してくれているファンの人たちがほとんどだから大丈夫だとは思うけど……」
「さすがの千鶴ちゃんも不安?」
来夢は鏡を見ながら防止を整える千鶴を覗き込んだ。
「多少はね。
もし酷い人たちがいたなら……私たちも真っ向に否定しないとね。
そうじゃないと、トップグループが成り立たないわ。
そうよね、リーダーさん?」
千鶴は体を動かす来海に視線を向けた。
「そりゃあ当然でしょ!
私たちドルチェは、誰一人欠けちゃいけないんだから!
みんなはひとりのため、ひとりはみんなのため……だもんね!」
「……みんな、ありがとう(微笑)」
ゆりは立ち上がり、全員に向けて微笑んだ。
そして他のみんなもそれに応えるように微笑んだ。
「「……(微笑)」」
_ガチャ
「みんな!
準備はいいかい?」
全員が心を一つにした時、涼介が楽屋に入ってきた。
「「もちろん!!」」
「よし、それじゃ行くよ!」
「「はいっ!!」」
ゆりたちはステージに向けて駆け足で走り出した。