第20章 ☆Story18☆ スキャンダル発覚!?
「これはアクシデントです。」
「アクシデント?」
「はい。私は昨日……金魚の水槽を買いにペットショップに行きました。
その帰り、財前寺さんと偶然会って、送ってもらったんです。ご厚意に甘えて……」
「……。」
「荷物は、トランクに入れてもらいました。
その荷物を財前寺さんが取ってくれて、私に渡そうとしてくれました。
その時に、財前寺さんがバランスを崩して倒れそうになったところを私は咄嗟に助けようと腕を掴みました。
それと同時に、財前寺さんがバランスを戻して……私は、勢い余ってキスをしてしまいました……
なので、キスは意図的なものではありません。」
「なるほど……状況はわかった。
だが、それが本当だとしても……世間は作り話だと考えるのがほとんどだろう……」」
「っ……」
「記事の件は、ニュースにしないようテレビ局に圧をかける。
この記事は全くもって嘘、事務所も本人も否定する。お前は自分の仕事に集中しなさい。
もう1週間後には、コンサートもあるんだからね……」
「っはい……そのつもりです……。」
「……後もう一つ、お前には聞きたいことがある。」
「っ……はい、なんでしょうか……」
「涼介から聞いた……お前、一般人に好きな人がいるというのは本当か?」
「っ!」
ゆりは涼介の方に振り向いた。
_コクッ「この件は、前々から社長にも伝えていたんだ……ゆりちゃん、
そのことについてもちゃんと話して……」
「っ……」
「ゆり……どうなんだ?」
「っそれは……本当です。」
「……。」
「私には、好きな人がいます……一般の方ですが……」
「やっぱり……ゆりちゃんの好きな人は、海王高校の生徒さんだよね?」
「っ!
なんでそんなことまで……」
「班田の件について調べていた時、三船憲吾くんの名前も出てきた。
それで三船くんのことも調べた。その結果、海王高校のボクシング部に所属し大会にも先日出場……
その大会に、ゆりちゃんも来ていたってことを俺は知っている……」
「っ……」
「それに、前にも助けてもらったんだよね?班田から……前に、車の中から見かけたとき話してくれたよね……」
「っ……」