第19章 ☆Story17☆ 二人きりの夏祭りデート
「っ……ユウ……」_ギュッ
ゆりはユウを抱きしめた。
「ありがとう、ユウ……」
『うん……』
「私たちは、もう少し花火を見てから帰ろうか?」
『そうだね……あ、僕も焼きそば食べたい!』
「ふふっ……はいはい笑」
ゆりは焼きそばをユウにも分け、花火を鑑賞した。
「……コンサート、絶対成功させなきゃ……」
憲吾side
憲吾はまだ賑やかな人混みをかき分けながら駅に向かっていた。
すると後ろから……
「おーい憲吾!!」
「……。」
憲吾は立ち止まり後ろを振り返った。
そしてそこには親友・吾郎の姿があった。
「……お前、ゆりちゃんは?」
「っ……」
「キスして告白までした挙句……そのまま逃げてきたのか?」
「っ……違う……!
俺は……」
「まぁ……お前の気持ちもわからなくはねぇが……
ゆりちゃんの返事も待たず帰るなんて、
ちょっと卑怯じゃねぇか?」
「っ……」
「……それにしても、ゆりちゃんがお前に聞いて欲しい曲って……なんだろうな……」
「お前……そこまで聞いてたのか?」
「おう……バッチリな……」
「……。」
「お前は、それまでに心の整理つけとけよ……」
「……わかってる。それくらいは……」
「……あぁ……」
ゆりside
「花火……そろそろ終わっちゃうね……」
『うん、そうだn…っ……』
「っユu‥「ゆりちゃん、」っ……?」
ユウが突然喋るのをやめた瞬間、ゆりの左側から声が聞こえてきた。
そして目をそこに向けてみると……
「っ藤ヶ谷さん……それに他の皆さんも……」
タイスケとヒロミツたちの姿があった。