第19章 ☆Story17☆ 二人きりの夏祭りデート
「っゆりちゃん!?」
「っ……藤ヶ谷さん……」
っ嘘だろ……なんでゆりちゃんが……
「っゆりちゃん!
なんでここに……今日はゆっくり休むって……」
今日はゆっくり休んむじゃなかったの?
なんでこんな賑やかな場所にいんの……?
それじゃあ、
さっき三船と見間違えた男は……
タイスケは男のほうにも目を向けた。
そして自分の目の前にいたのはゆりと一緒に来たであろう憲吾の姿があった……。
っなんでこの2人が一緒にいんだよ……
ゆりちゃん、今日は寮で休むって言ってたじゃんかよ!
明日からまた仕事が忙しくなるから今日はゆっくり休みたいって……
なのになんでまた疲れそうな夏祭りに来てるわけ……
来れる元気があるなら……なんで嘘なんか……
「っ……!」_グイッ!
「っおい……!」
「っちょゆりちゃん!?」
ゆりちゃんは三船を引っ張り走り出してしまった……。
「っ……なんで……」
俺はただ呆然と2人が走った先を見ることしかできなかった……
「っガヤ……」
「っゆりちゃん、今日は休みたいって昨日断ったんだっけ……?」
タカシとケントは気まずそうにタイスケを見た。
「……お前より、アイツとの時間のほうが大事みたいだな。
ゆりちゃんにとって……」
「っ……」
そりゃあ、ゆりちゃんの好きな奴が三船だから……そうなるのは自然だ……
逆に俺といようとするほうが常識的には変なことだ……でもそれ以上に、
嘘をつかれてまで三船と2人で来ていたのが……正直ムカついた……。
もちろん三船にもムカついたが……ゆりちゃんにも、
ムカついてしまった……せめて、
嘘は言って欲しくなかった……
「……運が悪かったな。
俺らがここに来なければ、何も知らずに済んだのによ……」
北山も冷静すぎてムカつく……でも、
北山の言ったことは全部正しい……。
ムカつくらいに……