第19章 ☆Story17☆ 二人きりの夏祭りデート
準備を終えたゆりはユウを抱きかかえ部屋を出た。
『僕も行っていいの?目立たない?』
「せっかくだし……それに、三船さんにもちゃんと紹介してなかったし……」
『ま、まさか僕の正体いうの!?』
「っ違う違う!(苦笑)
言うわけないでしょ……まぁ、日頃から持ち歩いてるわけだし……」
『なら良かった♪』
_バス停
「……。」
(うぅ……変装メガネだけだから少し不安になってきたなぁ……)
寮を出て早々不安になるゆり。
そんなゆりを心配するよそにバスがやってきた。
「……。」
(やっぱそれなりに人いるなぁ……)
ゆりはバスに乗り込むと空いてる席に座った。
「……。」
(端が空いていてよかった……)
ゆりは乗客に気づかれないようずっと窓の方に目を向けていた。
『……。』
(やっぱ人気アイドルは大変だなぁ……)
それから15分ほどで駅に着いた。バスから降りたゆりはまっすぐホームに向かった。
「……。」
(目的地に着くのはあと20分くらい……また感ずかれないよう気をつけなきゃ……)
『……。』
(ゆりちゃん、バスに引き続き電車内でも緊張中でございます……)
こうしてなんとか無事に会場の最寄駅に着いた。
だが会場に近いと言うこともあって人も混雑気味だった。
「っ……」
(やばい……思ったより人多い……早く神社に……)
ゆりは人混みを少しかき分けるように移動を始めた時……
_ドンッ!「っきゃっ……!すいませんっ」
誰かにぶつかってしまった。
「いえこちらこそ……むむ!?」
「へ……?」
ゆりがぶつかってしまったのは男性、その男性は驚きの表情を見せた。
ゆりは男性の方に目を向けてみると……
「っ……!」
(っこの人……いつだかの追っかけの……)
「っ……まさか!ゆりぴー?」