第19章 ☆Story17☆ 二人きりの夏祭りデート
ユウにきょうすけの霊が宿った時、
神様からあの子は本来ゆりと一緒に生まれてくるはずの生命だったと言われた。
ちなみにこの時は性別はなくて……名前もなかった。
だから、きょうすけと言う名前は私が勝手に名付けた名前。
それまでは特に性別もなかったから、
私の影響で時より女の子が好む服とか選んでたみたいだけど……
私がちゃんと自分の子供、息子なんだと自覚したらきょうすけも何かを感じ取ったみたいで、
ゆりと太輔が寝ている間に密かにコンタクトを取ってお互いが親子であったことを確認しあった……。
それで昨日は、他のみんなが海に夢中になってたからぬいぐるみとして取り残されていた私たちは
初めて隣り合わせで、目の前で話をすることができた……。
だから私たちがちゃんと親子だってわかったのは割と最近、
それまできょうすけはユウとして生活していた……。
自分のことをあやふやにしながら……
「百合……さっき何か言ってたか?
なんか、お前の独り言が聞こえたような気がしたんだけど……」
『えぇ?太輔の勘違いでしょ笑
私が一人で喋るわけないじゃない!』
「……ぬいぐるみに一人で話しかけてたやつがか?」
『ぬぅ!?なんでそのこと知ってんの!?』
「……。」
『っちょなんで無言になるのよそこで!』
「別に……さて、寝るか……」
『っあちょっと待ってよ!!』
百合は慌てて太輔の後を追うのだった。
とにかく、今はこのことは太輔……もちろんゆりには内緒……。
でも……いつか話す時が来るんだよね……
それが、
近いのか遠いのかはわからないけど……。