第17章 ☆Story15☆ 熱い恋の季節のはじまり
部屋に戻ってきたゆり、ほぼリュックの中にいたユウはリュックの中から飛び出る。
『次の土曜日楽しみだねぇ、どんな恋の展開が待ってるのか♪』
「ユウったら……最近そんな話題ばっか」
『だって絶対海では何かあるよ!?
……それにさ!』
ユウはタブレットでまた検索を始めた。
「……?」
『海に行く次の日には花火大会あるんだよ!?しかも大きいの!
もしかしたら、三船くんともいけるんじゃない?』
ユウはタブレットをゆりに見せながら言った。
「花火、大会か……そりゃあ、浴衣も買っちゃったし三船さんと行けたら嬉しいけど……」
『まぁとりあえず……次の土曜がどんな日になるかだよね〜笑』
「だね(苦笑)
さて、と……流石に部屋の中でもライダースーツは辛いな……部屋着に着替えよ……」
ゆりは荷物を整理し部屋着に着替えるのだった。
そして同日、藤ヶ谷家では……
『ふふふ〜♪
相変わらずゆりは可愛いなぁ♪』
百合は我が娘の幼き頃のホームビデオを鑑賞していた。
ちなみに太輔はまだ仕事から帰ってきていない。
『ははは!!廉さんめっちゃゆりに嫌がれてる笑
さっすが私の子だわ〜笑
逆に柊さんにはめっちゃ懐いてるのが何とも笑』
百合がソファーで笑いごけていると……
「ただいま……って、随分賑やかだな……何見てんだ?」
どうやら太輔が帰ってきたようだ。
『あ、太輔お帰りなさい!
今ね〜、ゆりのホームビデオ見てたの!』
「また随分昔のを見てるな……まだ赤ん坊じゃねぇか……」
『この頃はパパパパ〜って言ってたんだろうけど、
今は恋に悩む女の子〜って感じかな笑』
「……。」
『まーたそうやってしかめっ面になる笑
ゆりはちゃーんといい人見つけるから!
……あ、ねぇねぇ!』
「あ?なんだ?」
『奥さんに「あ?」はないでしょ「あ?」は……
私ねー、海行きたい!』
「はぁ!?」
『今の季節、まさに海水浴日和じゃ〜ん?』
「って……お前はぬいぐるみだろうが!!」
『えぇ……絶対面白いことがあるの!
特に土曜!!』
「何だよそれ……」