第17章 ☆Story15☆ 熱い恋の季節のはじまり
「っはぁやっと解放された!
んじゃ一つだけお前らに言う!!」
「何っすか?」
「……。」
「……俺はゆりちゃんのことが誰よりも好きだ。
お前たちよりもずっとな……」
「おぉ……なんかガヤ大胆……」
「何言うかと思ったら結局はそれかよ……」
「……おい三船、」
「……なんですか?」
「……お前には、ゆりちゃんはどう映ってんだよ……」
「……。」
「……おい、お前はまただんまりかよ。
お前は、彼女のことをどう思ってんだよ……」
「……俺は、「お待たせしましたっ」……。」
憲吾が何かを言う前に、ゆりがお手洗いから戻ってきた。
そして憲吾はそのまま黙ってしまった。
「おかえりゆりちゃん!」
吾郎は手を振りながらゆりを迎える。
「皆さんで何話していたんですか?
なんか、さっきより顔がみんな険しいような……」
「ゆりちゃんは気にしなくていいの笑」
「……変なn…_プルルルル〜……あ、涼介さんからだ。
ちょっとまた席外しますね。」
ゆりのスマホに、涼介から突然着信が入った。
そしてゆりは再び席を外した。
「……さて、君はさっき何言おうとしたの?」
ゆりが行ったことを確認すると、ヒロミツは憲吾が言おうとしたことが何かを聞き出した。
「……別に。
俺は彼女をそう言う目で見たことは一度もない。
さっき貴方方が言ったように、俺はただの一般人だ……俺には、遠い存在だ……」
「遠い存在?
俺たちから見て、彼女との距離は大分近いように見えるが?」
「そう思うなら勝手に思ってください。
別に、俺は貴方のことを邪魔しようとか、そんなこと少しも思ってないので。」
「ふーん……じゃあ、三船はゆりちゃんのことをなんとも思ってないんだ?」
「……えぇ、」
「これからも?」
「……あぁ、」
「じゃあさ、もう金輪際……ゆりちゃんに近づくな。」
「……。」
「っちょそれは言い過ぎじゃないっすか?それに、
それを決めるのはゆりちゃんでしょ。」
「……。」
「わかったか?三船……」