第17章 ☆Story15☆ 熱い恋の季節のはじまり
ジュースを取り出した憲吾はゆりとの間を1スペース開けたところに腰掛けた。
「さーて俺も……お!2人揃って同じジュースって笑
憲吾、さてはお前狙ったか?笑」
「っ……ちげぇよ!
たまたま選んだのが同じだっただけだ……!」
確かに彼女の飲み物を見て決めたが……消してわざと同じものにしたわけでは、ない……。
「(笑笑)
んじゃ俺もゆりちゃんと同じレモンサワーにしよ〜♪」
「っだからちげぇよ……!」
「ふふ……(微笑)」
「っ……」
彼女にも笑われる……だが、あまりテレビとかでは見せないような笑い方に、
少し胸が高鳴った……。
彼女といると、自分が今どんな気持ちになっているのかわからなくなる……
「3人で一緒にレモンサワーだっ♪」
「ふふ、ですね(笑)」
「……。」
憲吾は再びゆりに視線を向けた。
「……?」
それに気づいたゆりは首をちょこんとかしげた。
「っ……」
そして慌てて視線を戻す憲吾。
「おかしな奴だなお前笑
それにしてもゆりちゃん、」
「はい?」
「なんでライダースーツみたいなの着てんの?」
「あ、えっと……最近バイクの免許を取って……今日はバイクで買い物に来たんですよ(苦笑)」
「ま、まじで!?
っんじゃ、もしかして……あの最新型のハーレーって……」
「あぁ……私の、ですかね?(苦笑)
黒い車種です!」
「っマジかよ……すんげぇカッコいいバイクだなーって止めた時に見てたんだよ!
まさかあのバイクが、ゆりちゃんのだったとは……」
「……。」
これは驚いた……まさかあのハーレーが彼女のものとは……確か免許は誕生日を迎えないと取れないはず……
彼女は確か7月生まれだったから……ほんの数週間で免許を取ったことになるのか……
免許を取れるとはいえ、普通の中学生は大体バイクの免許を取らない。
素直に驚いた……
「……凄いな、お前は……」
思わず、声に出してしまった……
「ぇ……」
そして彼女はちょっと驚いた様子でこっちを見てきた……。