第17章 ☆Story15☆ 熱い恋の季節のはじまり
憲吾side
吾郎の服を買い終え、休憩スペースにやってきた俺らだったが、
偶然にもその場所にはあの子の姿があった。
変装はもちろんしていて吾郎は一瞬見間違えたがすぐ本人に気づいた。
変装しても、彼女の周りには芸能人のオーラが感じられていた。
それにしても、彼女はライダースーツらしきものを着ていてすごく意外だった……。
人は見かけによらないものだと憲吾はこの時思うのであった。
「っ……お久しぶり、です……三船さん……それに内山さんも……」
帽子を取りながら頭を下げる彼女、その姿が少し可愛いと思ってしまったのは……誰にも内緒だ。
そんなことを言ったら、確実に吾郎にからかわれるのが目に見えてわかる……。
「ゆりちゃんは、なんの服買いにきたの?
やっぱり新しい私服とか?」
やはり女というのは買い物が楽しいのだろうか……
「今日は、水着を買いに来て……あと、浴衣も買うとお得っていうことで浴衣も買っちゃいました(苦笑)
この後も、ちょっと洋服を見ていこうかなって思ってて……」
「やっぱ女の子は水着とか浴衣買うよねーこの時期笑
てか水着に浴衣!?……男的には、どんなやつか気になるわ笑」←
「え!///」
「っおい吾郎……お前口が過ぎるぞ……っわりぃ、吾郎が……」
「っいえ…!///」
吾郎の無自覚な発言に頬を染めた彼女、なぜかこっちまで恥ずかしくなってきた……。
でも彼女なら、やはり可愛い系のものを選びそうだな……ピンクとかそっち系のものを……
「っわりぃわりぃ(苦笑)
憲吾は、気にならないのかよ?笑」←
「っ……っんなわけねぇだろ……!」
っいきなり何を言い出すんだよコイツは……
「っ……///」
また顔を赤らめる彼女……
「ふーん笑」
「ったく……」
(何かジュースでも買うか……)
憲吾はふとゆりの手元を見た。
(レモンサワー、か……この時期にはさっぱりしてそうだからそれにするか……)
そしてすぐ視線を戻し自販機にコインを入れジュースを取り出した。
取り出した缶はひんやりとしていた。