第16章 ☆Story14☆ 娘が心配すぎるパパ
ゆりはしばらく和真と話し、再び太輔と変わった。
「今日は夜8時から生放送なんだ!」
『あぁ、みたいだな。楽しみにしてるよ。』
「ありがとうっ」
「ゆりちゃん、すげぇ嬉しそう……」
タイスケは弁当をつまみながら電話をするゆりを見ていた。
_パクッ『そりゃあ大好きなパパとの会話なんだもん。
最近は忙しくてあんまり連絡できていなかったみたいだしねー』
「そうなんだ……って!俺の弁当食べるんじゃねぇよ!」
どうやらユウはタイスケのお弁当のおかずをつまんでいたようだ。
『いいじゃーん別に!』
「よかねーよ!しかもハンバーグ、食いやがって!
この弁当はハンバーグがメインだろうが!」
『食べ物ごときでムキになっちゃって……君もまだまだ子供だなぁ』
「お前に言われたかねぇよ!」
『おい、随分お前の楽屋賑やかだな……
こっちまで聞こえてくるぞ。』
「あははは(苦笑)
まぁ、今楽屋に藤ヶ谷さんが来ていて……っ!」
(やば……思わず言っちゃった……せめて他の人の名前出せば……涙)
軽く後悔するゆり。
『ふーん……何もされてないだろうな?』
「っな、何もされてないよ!
胸触られたりとか……あ゛」←
思わず口が滑ってしまうゆり。
「っちょっとゆりちゃん!
俺が意図的にやったみたいになってる!!」
『っ……おい……』
「っ今のは違う!ちょっとしたアクシデントなの!アクシデントで…『代われ。』←……え゛!?
い、いやだからそれh.『いいから代われ。』……はい(涙)」
(ダメだ……逆らえない……)
「えぇぇぇ!?」
(待って待って!俺完全なるフラグじゃん!!)
太輔は普段より低めのトーンで話していたため、少し恐怖を覚えたゆり。
ゆりはやむなくスマホをタイスケに差し出す。
「……父には、逆らえませんから(苦笑)」
「……(冷汗)」
タイスケは恐る恐るゆりからスマホを受け取る。電話の向こうからは…
『おいおい、向こうの話も聞けよ……』
『てめぇは黙ってろ九条。』←
『は、はい……』
2人のやり取りも聞こえて来た。