第16章 ☆Story14☆ 娘が心配すぎるパパ
「ふーん……」
「っ……な、なんですか、その顔は……!」
「そりゃあ好きな女の子が他の男と親しかったら面白くないしぃ……」
口を尖らせるタイスケ。
「……前にも言いましたけど、私は貴方のこと……っ異性として、見れないというか……」
「……じゃあさ、ゆりちゃんにとって俺って、どんな存在なわけ?」
「っえっと……おに‥ぃ…ん……」
ゴニョっと恥ずかしそうに呟くゆり。
「え?なんて言ったの(苦笑)
よく聞こえなかったんだけど……」
「っ……おにぃ、ちゃん……」
ゆりは顔を真っ赤にさせていた。
「……お兄ちゃん……俺が……」
_コクッ「っ……」
顔を真っ赤にしながらも頷くゆり。
「……それって、家族……的な?」
「……一緒にいると、お兄ちゃんができたみたいで……私、一人っ子だから……
誕生日の時も、あんなお兄ちゃんがいたらなって……思ったから……」
「……そっか。
俺は、お兄ちゃん……か……」
「……。」
「っ……まぁ苗字も一緒だしね(笑)
それに俺……ゆりちゃんのお父さんと同じ名前だしね……」
タイスケは笑っているが、どこか悲しそうだった。
「……そう、ですね……。」
(藤ヶ谷さん……)
「……っじゃあさ!今度は俺ね?
俺にとってゆりちゃんは……凄く大切な女の子……君が俺のことをどう思っていようが、
俺はゆりちゃんのことが好き……大好きだよ。
誰よりもずっと……だから、三船とか、他に親しい男とかいるとめちゃくちゃ嫉妬だってするし……」
「……。」
「だから、昨日だってそうだった……俺より会っていないはずなのに、あんなに親しそうにしててさ……」
「藤ヶ谷さん……」
「昨日、あいつが好きだってはっきり言ったよね?」
「……はい。」
「俺、それを聞いてもさ……「はいそうですか、じゃあ応援するね。」…なんて言えねぇよ。
ここで諦めたくねぇ……あいつに負けたくねぇって、思った。」
「っ……」
「それだけ、俺は本気だってこと……だから、俺は諦めない。」
ゆりの目を、タイスケは真っ直ぐ見つめていた……。